イベント開催レポート
地球に負荷の少ない安心・安全な野菜づくり。その裏側を知る。
サラダクラブでは、工場の生産工程で使われずに生じる野菜の外葉や芯などの廃棄を飼料や堆肥として契約農家などで活用いただく野菜廃棄物ゼロ化を進めております。
さらに野菜廃棄物からできた堆肥を使った畑で育てられた野菜を納入してもらう循環型農業の取り組みを進めています。
今回は同取り組みを進めるサラダクラブの契約農家へキャンペーン参加者の方々を抽選でご招待いたしました。
イベント1か所目は、熊本県玉名市にある「北部農園」。野菜の収穫体験前には農家の方から野菜づくりへのこだわりを伺ったり、収穫した野菜を新鮮な状態で保管できる巨大倉庫を見学させてもらったり…と、
常に変わらない品質で安心・安全な商品をお届けするサラダクラブのこだわりを紹介いただきました。
その後は参加者全員でレタスの収穫体験を実施。みんな笑顔で収穫に臨み、参加者からは「日頃から使っている商品ですが、生産者さんのお話しを伺って、自信をもって薦められると思いました。」との声も。
続く広島でのイベントは、雨天のため三原市にあるサラダクラブの工場を訪問。
工場内では、実際に契約農家から野菜が届いた後、どのようにカットされ、パッケージング、出荷されていくのかなど、製造の一連の流れを見学しました。
参加者からは「パッケージサラダというと、どこか工業製品のようなイメージを持っていて、不安なところもありました。 でも、実際に製造工程を見ると、原料へのこだわりや資源循環への取り組みに力を入れていることが分かりました。これからは安心して購入することができます」といった声をいただきました。
さらにイベント終了後は、参加者全員へコンポストキットのプレゼントも。 コンポストとは微生物が入った土に生ゴミを入れると、数週間で堆肥が完成するというもの……その場だけの学びではなく、家庭でも資源をムダにしない循環型農業を日常的に実践することが期待されています。
社会性と経済性を両立する循環型農業の取り組み。
今回サラダクラブがこのような企画を実施した背景には、従来から循環型農業に取り組んできた同社の文化があります。 株式会社サラダクラブ マーケティング本部 兼 広報・広告宣伝部の濵本さんが、話してくれました。
「もともと私たちは、『生産者さんが愛情を込めて育ててくださった野菜をあますことなく使いたい』という想いを持っています。 だからこそ、パッケージサラダの製造工程でどうしても出てきてしまう未利用部を、ただ廃棄するのではなく、堆肥の材料にして契約農家で使用してもらっているんです」
サラダクラブの循環型農業の取り組みとして特徴的なのが、社会性と経済性を両立させていること。そこには合理的な経営判断があります。
「私たちが堆肥づくりに取り組むのは、地球環境にも、生産者さんにも、そして私たち自身にもメリットが生まれる“三方よし”の取り組みだから。廃棄が減ることで食品ロスが削減されるのはもちろん、堆肥を提供した生産者さんからは、『土作りが上手くできるようになった』『生育が良くなって化学肥料を減らすことができた』といった声をいただいています。
また、サラダクラブにとっても、野菜廃棄に必要だったコストが不要になりました。いくら社会性の高い取り組みでも、自社が無理するだけでは持続可能とは言えません。“三方よし”の取り組みだからこそ、価値があるのだと思います」
メーカー、小売、生活者が一体となって取り組むことの意義。
さらに今回、メーカー、小売共同で企画を開催した理由を聞きました。
「メーカーだけでは、なかなか生活者との接点をつくりにくい中、『日常の買い物』という生活者との身近な接点を持っている販売店さんとの共同により、
資源循環への取り組みに、生活者自身も参加してもらって体感してもらうことができる。そんな機会があることによって、サラダクラブの共感者を増やし、
資源循環をより進めていくことにつながるのではないかと考えたんです」
さらに「今回の取り組みは、コーポレートブランディングの観点からも価値があった」と話すのは、広報・広告宣伝部の吉田さん。
「メーカーであるサラダクラブにとって、お客様と直接コミュニケーションを取る機会ができたというのが大きなポイントだったと思っています。
これまでもサステナビリティの観点から“マストバイキャンペーン”など自社独自の取り組みをしていたのですが、どこか一方通行のような気がしていて。
また、私たちが実践していた循環型農業のようなサステナビリティの取り組みもなかなか表には出にくくて、サステナビリティを大切にしているサラダクラブの思想を生活者の方に伝える機会がなかったのも事実です。
でも、今回共同企画としたことで生活者の方に直接自社の取り組み参加してもらうことができた。コーポレートブランディングの観点からしても非常に意味のあるキャンペーンだったと思います」
実際にキャンペーンを終えて、どんな成果や手応えを得られたのでしょうか。お二人が話します。
「最終的には10組の定員に対して、百数十組もの応募が集まりました。この過程では、イズミさんのご協力も大きく、売場での演出や共同でのプレスリリース配信、ホームページやInstagramでの告知など、 企業の枠を超えて二人三脚でキャンペーンを進めることができました。今回の事例を基に、今後は他の小売さんへも取り組みを広げていきたいと考えています。」(濵本さん)
自社のサステナビリティの取り組みを加速させるために。
サラダクラブとともに今回のキャンペーンに参画しているのが、中四国・九州エリアでスーパーマーケットチェーンを展開する「イズミ」。 同社も資源循環に対する取り組みを進めています。株式会社イズミ 顧客サービス部 SDGs推進課の浦辺さんはこう話します。
「イズミは、地域密着型の会社。地域の一員として末永く事業を展開していくために地域環境を守ること・住みよい地域を未来へつないでいくことを常に意識しています。 そのような想いを踏まえて、弊社では2050年までに目指す姿を『youme MIRAI Action』として定義しました。この中でも、資源の有効活用は力を入れている分野のひとつです。 たとえば、店舗から出た食品廃棄物をリサイクルして肥料化・飼料化する。食品ロスの削減や食品廃棄物のリサイクルなどは目標数値を定めて力を入れているところです」
そんなイズミが今回のキャンペーンに参加したのも、やはり生活者とコミュニケーションを取れることにあるのだといいます。
「店舗での食品ロス削減やレジ袋の使用量削減活動も然ることながら、BE+CAUSは、『お買い物』という日常の行為を通じて、お客様も無理なく社会貢献に参加できる。そこがいいところだと思っています。 しかも、その金額がどこに寄付されるのかがわかるし、農業体験にも応募できるので、お客様にとっても『社会貢献している』という実感を得やすいのではないでしょうか。」
また、メーカーであるサラダクラブと共に取り組むことで、自社のサステナビリティの活動に貢献することにつながったといいます。
「私たちは小売として、サラダクラブさんはメーカーとして。立場の違いはあれ、ともに資源循環に対して課題意識を持って取り組んでいます。 循環型農業を実践しているサラダクラブさんのようなメーカーの商品を仕入れて、お客様に提供することは小売としてのひとつの役目。 今回のキャンペーンでは、サラダクラブさんの商品を手に取ってもらえるように売り場の工夫もしました。そうすることで、サラダクラブさんやその先にいる野菜の生産者さんを応援することができる。 さらに、売上の一部で循環型農業を実践するNPO法人を支援することもできる。私たちの事業である『販売』は、あくまで資源循環の大きな輪の一部分に過ぎません。 このキャンペーンでは普段私たちが手の届かない『生産』まで手を伸ばして応援することができる良い機会となりました」
最後に、これからの展開について浦辺さんは話しました。
「引き続き2050年に向けて『youme MIRAI Action』の取り組みを進めていきたいと思っています。 そのためには、企業の垣根を越えて協働することは、とても大切。店頭でできることは何か、それ以外でも何かできることはないか。視野を広げてチャレンジしていくつもりです」
「メーカー」や「小売」といった業種の垣根を越えて協働した今回のキャンペーン。 自社単独での取り組みで感じていた課題を乗り越えるきっかけとして、これまで手が届かなかったことにチャレンジする場として。双方にとって、価値ある取り組みになったようです。
BE+CAUSとは
毎日の買い物が、前向きな選択に。
BE+CAUSで紹介するキャンペーンに参加して買い物するだけで、購入金額の一部が寄付され、様々な社会課題解決に貢献できます。